母子家庭の養育費の取り決めと受給の実態

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平成23年度の母子家庭を対象にした調査では、養育費について取り決めをしているのは、約38%と4割にも満たない状況となっています。
そして、取り決めをしている場合でも、文書がないという場合は、約28%となっています。
例え文書での取り決めがある場合であっても、公正証書などのように強制執行手続をとることが可能な書面が作成されているとは限らず、取り決め後の養育費支払の履行確保が難しいという問題があります。
また、強制執行が出来る場合であっても実際の養育費の確保が困難な場合もあります。

それでは、離婚の方法によって養育費の取り決めの有無に差はあるのでしょうか。
協議離婚では、取り決めをしている割合はわずか約30%にとどまっています。
調停離婚、裁判離婚などの取り決め率は約75%であり、協議離婚の取り決め率が著しく低いことがわかります。

もっとも、本来、養育費は子供の養育のために当然支払われるべきもので、離婚時に必ず取り決めがなされるべきものです。
裁判所が関わる調停離婚、裁判離婚の場合であっても、約24%が養育費の取り決めがなされていないままにである点は、問題であるといえます。


養育費の取り決めをしない理由

経済的な困窮が予測できる状況にあっても、なぜ養育費の取り決めをしないのでしょうか。

養育費の取り決めをしなかった理由をみると「相手に支払い能力、意思がないと思った」とする回答が、全体の約49%を占めており、相手の支払い能力や意思により、養育費の取り決めをあきらめてしまうケースが多いことが明らかとなっています。
そして、「相手とかかわりたくない」が約23%、「取り決め交渉をしたが、まとまらなかった」が約8%と続いており、「自分の収入等で経済的に問題がない」との回答は約2%にとどまっています。

母の就労収入別の養育費の取り決めの有無をみても、母の就労収入が400万円を超える家庭では取り決め率が45%を超えているのに対し、就労収入が300万円未満の家庭においては40%にも満たない結果となっています。
これは、就労収入が300万円未満の母子世帯の場合、例えば父も十分な収入を得られていない、借金があるなど経済的に余裕がないことを母が知っており、養育費の取り決めをしても履行が期待できないなどの重いから、早期の離婚や父との関係を断ち切ることに重きをおき、取り決めに至らない場合が多いものと思われます。

父子世帯への同様の調査では、「自分の収入などで経済的に問題がない」との回答が約21%あり、第1章で述べた母子世帯との格差がここでも明らかとなっています。

いずれにせよ、父が低所得である、支払意思がないなどの事情があったとしても、子供を扶養する義務を免れるわけではなく、所得に応じて養育費の支払額の取り決めがなされるべきです。
また、母子世帯に対する社会保障制度の充実も不可欠です。


養育費の受給実態

母子世帯全体の養育費の受給状況をみると、「養育費を受けたことがない」との回答が、約60%を超えています。
たとえ一度は養育費の支払いを受けたことがあっても、現在は受けられていないとする回答も約16%あり、母子世帯が養育費を受け取っていない、もしくは継続的に確保できておらず、養育費の受給が極めて不安定な状況にあることが浮き彫りとなっています。

母子世帯等調査の「母子世帯になってからの年数階級別での養育費受給状況」でも、母子世帯になってからの年数が0~2年は約27%が「現在も受けている」と回答していますが、4年を経過した世帯においては「現在も受けている」の割合はわずか約16%にとどまり、「過去に受けたことがある」の割合が上昇する結果となっています。


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